読了:グリンプス ルイスシャイナー

星2.8

 

主人公は自身の父親との関係に問題を抱えたまま父親を亡くした中年に差しかかかるステレオ修理工。とあるきっかけで自身が60年台に未完に終わったミュージシャンの幻のアルバムを再現する特殊能力に目覚める。やがて彼はその当時の世界にタイムリープしし(ただし自身の脳内)、ミュージシャンたちと直接かかわっていくことになるが・・ビートルズ、ドアーズ、ビーチボーイズ、そしてジミヘンドリックスの幻のアルバムが一つのテーマとなって話が進んでいく世界幻想文学大賞受賞作品。

なんですが、今は絶版なので図書館で借りて読了。

私自身が正直60年代の音楽にそこまで詳しくない点および、話の主軸は音楽というよりも彼と彼を取り巻く両親や奥さん、不倫相手の女性などとの関係性を描く点に結構割かれている点、描写が今一つすっと入ってこない点などもろもろ含めると期待していたものとはちょっと違うところに着地した感じ。

 

まぁこういう感じであろうことは想像してたけど。途中離脱せずに読み切れたのはよかったかな。

 

最終的主人公は自分の人生を取り戻す形で終わるので酷い話にはなってないですが、実際のところ彼の頭の中で妄想してるだけと何が違うん?という話でもあります。音源はどういう理屈かわからないけどブートレグとして世に出るんだけどね。

もっとこうロックエンタメ的な部分を期待していたけど、私小説に近いものを感じました。ほんとはあれだね脚注まで読み込んでこそだったのかなぁ。取り上げられている音楽のファンだとまた感じ方が違うのかもしれませんね。