読んだ本:騎士団長殺し 全4巻

買って寝かせていた村上春樹氏の最新長編。って大分前だけど。

読んだ直後の評点 星3つ

 

それなりに時間をかけて読了。

私は自分が16歳だった頃くらいから彼の読者でしたが、その長い読者歴の中で

採点するなら、まぁ佳作というところでしょうか。

個人的には、頂点は世界の終わりとハードボイルドワンダーランド。

次点は羊をめぐる冒険。ってあたりなんだけど、それらに比べると大人し目な感想。

 

まぁ例示した作品は前期の作品でこれは後期に属するという見方もできる。

例によってそれこそメタファーに富み、現実と虚構の間を行き来して、

なんだかよくわからない理屈の中での喪失からの回復の物語という意味で、話型はすでに完成されたところからはみ出すことも無く。って感想になっちゃうんですよね。

 

読後感は最初の頃の作品は1Q84とはちょっと違う気がします。相当にこじんまりとしてパーソナルな印象。全4巻で長いんだけど、話はあまり展開しないです。場所的にも登場人物的にも。時間軸としても。

最後の章は必要だったのかなという気も個人的にはしているところ。

 

白亜の宮殿の主は現代の五反田くんなのか?いやそうじゃないよな・・

抽象であり暗喩に満ちたパートをどうこう言ってもあんまり仕方ないんだけどね。

答え合わせはちょっとしてみたい気もするけど。